2020-01-01から1年間の記事一覧

[完]源氏物語 巻十

源氏物語巻10 『浮舟』の帖は、薫と匂宮の二人から愛されて板挟みになり、悩み苦しむ浮舟を描く。匂宮はいつまでも、思いを遂げられなかった浮舟を忘れられない。中の君にまで、隠したのだろうと恨み言をいう。中の君は薫と妹の浮舟のことは知らせず、自分の…

源氏物語 巻九

『早蕨』の帖は、姉の大君を亡くした中の君がひとり寂しく暮らす宇治の邸から始まる。匂宮は京に中の宮を迎える決心をして、薫は引越しの世話をする。とはいえ、亡くなった大君が自分と中の君との結婚を望んでいたことを思うと、後悔の思いもある。柏木の乳…

源氏物語 巻八

『竹河』の帖は、亡くなった髭黒の大臣の一家の物語。髭黒の大臣の未亡人となった玉鬘は3人の息子と2人の姫を育てている。長女の大君は帝と冷泉院のどちらからも所望されていて、夕霧の息子の蔵人の少将もご執心だ。しかし、息子たちの友人として遊びに来…

源氏物語 巻七

「女三の宮との件以外には源氏に対して過ちがないのだから、死んでしまったら哀れんでくださるのではないか」と悩み続ける『柏木』が、ついに命を落とす帖。女三の宮は男君を産むが体調は優れない。源氏は「今度のことは自分(と藤壺)の秘密の罪業の報い」…

源氏物語 巻六

『若菜』上は、体調がすぐれない朱雀院が、出家を望みながらも子である女三の宮の行く末を心配する嘆きから始まる。まだ十三歳ほどの姫には、しっかりした後ろ盾となってくれそうな男と結婚させたいと望み、蛍兵部の卿の宮、夕霧、柏木に加え、1番の候補に…

源氏物語 巻五

『蛍』の帖、源氏はまだまだ玉鬘の君への思いを諦めきれない。その上、姫に思いを寄せて文を送る男性たちへの返事も書きなさいと進め、さらに姫の気持ちは波立つ。兵部の卿の宮がお訪ねの時に源氏は玉鬘のご几帳の中に蛍を放ち、姫の美しい顔を脳裏に刻ませ…

源氏物語 巻四

大堰川のほとりに住居を構え姫と暮らす明石の君に、源氏は姫君を自分の元に引き取って、正妻紫の上の子として育てたいと申し出る『薄雲』の帖。。(なんと、残酷な。。子を取り上げて正妻に育てさせるというのだ)明石の君は、悩みながらも、源氏に従うこと…

源氏物語 巻三

朱雀帝が一番愛する朧月夜と源氏の密通現場を、朧月夜の父右大臣に押さえられた事件は、右大臣の一派へと権力が移っていく引き金ともなる。また、右大臣一派は源氏が後見を任されている東宮を帝位につけようと謀反を企てているという濡れ衣を着せて、官位を…

源氏物語 巻二

8歳の光源氏が、自分好みの女性を求めている中出会った『末摘花』。源氏からの恋文の和歌にも応えられず、ただただ大人しく琴だけを友とする女性は、馬面で鼻が異様に長く垂れ下がって先が赤い。。しかも、その顔を見るのは何度か契りを結んだ後だという。。…

源氏物語 巻一

源氏物語 巻一第一帖「桐壺」では、源氏の誕生から、亡きお母様に生写しと言われる父の後宮藤壺への憧憬の芽生え、左大臣の姫君『葵の上』との気持ちの通わない結婚、何より輝くように美しく聡明な光源氏のディティールがまず描かれて、物語の世界へと誘いま…

自粛生活のお仕事は読書

自粛生活休業中に、何かできることはないかと考えた。本棚を整理して見つけたのは、20年前にお給料日ごとに1冊ずつ買いそろえていた瀬戸内寂聴さんの『源氏物語』10巻。いつか時間ができたら、と思ってしまっていたんだけど、今読まずにいつ読む!と、決…