源氏物語 巻二

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8歳の光源氏が、自分好みの女性を求めている中出会った『末摘花』。源氏からの恋文の和歌にも応えられず、ただただ大人しく琴だけを友とする女性は、馬面で鼻が異様に長く垂れ下がって先が赤い。。しかも、その顔を見るのは何度か契りを結んだ後だという。。これぞ隔世の感。失礼なことに源氏は幼い姫、紫の上と遊ぶ際に自分の鼻を赤く塗り「私がこんな鼻だったらどうする」と、冗談を言って遊ぶのだ(怒)

『紅葉賀』では、帝の妻藤壺が源氏との不倫の男の子を産む。何も知らない帝が「この子はそなたそっくり」と、源氏に喜んで見せにきて、居合わせた藤壺は「汗もしとど」になっている。。ご自分のなさった結果とは言えなんとも辛い。
この帖には57、8歳にもなる好色な老女(!!)源の典侍との交流も登場する。この時源氏は18〜19歳ごろというのだから、どこまでもとんでもない男性だ。さらに、友人である『頭の中将』もわざと同じ女性と通じ合う。先の『末摘花』の帖でも、同じ展開があった。まさに、悪友(だけでは片付けられん、ほんまに)。
『花宴』では、対抗する右大臣の娘、朧月夜と出会い、情交を結ぶ。藤壺の面影を追って彷徨ううちに、朧月夜を見染め、さらうようにして契りを結ぼうとする際、助けを求めようとする彼女に対して「私は何をしても人から咎められません。人を呼んでも無駄です」という自信にあふれた言葉!ほんまに、びっくりとしか言いようがない。
『葵』は、六条御息所と葵の上の車争いから始まり、葵の上が生き霊に取り憑かれながらも源氏の子供を産み、その生き霊こそ御息所だと源氏は知るという、ドラマティックな展開を見せる。その後、葵の上は急死する。また、あの可憐な紫の上と結ばれる帖でもある。
『賢木』は、源氏への思いを断ち切るために斎宮として伊勢に下ることになった娘とともに下向する決心をした六条御息所は、自分が生き霊となって葵の上に取りついたことを知らない。一方、生き霊としての御息所を目の当たりにして、会うことを控えていた源氏も、伊勢へいく日が近づいてきて迷いながらも会いにいく。そして、引き止める。。。結局御息所は下向する。
そして、朱雀帝に位を譲り、藤壺と静かに暮らしていた桐壺院が崩御藤壺は出家する。
左大臣は辞職、右大臣一派が権勢を誇る時代へと移る中、源氏は右大臣の娘朧月夜との密会を続け、ついには右大臣と鉢合わせする。ここから源氏を失脚に追いやる企みが始まる。
『花散里』では、以前一度通っただけの女性の家の前をたまたま通り、そのことを思い出し訪ねるという短編。
ほんまにもう、相変わらずのとんでもなさがいっぱい散りばめられていて。。
この巻の終わりでようやく25歳の光源氏さまでございます(笑)