源氏物語 巻四

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大堰川のほとりに住居を構え姫と暮らす明石の君に、源氏は姫君を自分の元に引き取って、正妻紫の上の子として育てたいと申し出る『薄雲』の帖。。(なんと、残酷な。。子を取り上げて正妻に育てさせるというのだ)明石の君は、悩みながらも、源氏に従うことが姫の将来のためと、泣く泣く別れを決める。その頃、太政大臣、さらに藤壺も続けて亡くなる。嘆き悲しむ帝を心配して、昔から交流のあった僧をそば近くに逗留させたことから、藤壺と源氏の秘密を帝が知ることに。源氏に帝の位を譲って、自分は譲位したいなどとも漏らすようになる。

我が子を産めない紫の上は明石の君の姫君をこの上なく可愛がる。
従姉妹にあたる『朝顔』の姫宮は、源氏が若き日から思いを寄せる女性。源氏が度々手紙を送っても、心を許しきらない返事をする賢さだが、思い通りにならない恋に打ち込んでしまうという性癖の源氏を惹きつけてしまい、紫の上に噂が耳に入るほどの執心となる。(呆)朝顔は決して源氏を受け入れようとはしない。
ご無沙汰の夜が続き、涙にくれる紫の上に、朝顔の姫宮を初め、藤壺、朧月夜や花散里、明石の君など、愛人たちの話をするのだ。。。
そんなある日、藤壺が夢に現れ、二人の秘密が帝に伝わったことへの恨み言を伝える。
『乙女』では、源氏と故葵の上の子、夕霧の若君と内大臣(頭の中将)の姫(雲居の雁の姫君)との幼い恋が描かれるが、いつかは姫を入内させようと考えていた内大臣に阻まれる。夕霧は源氏の思いもあって、六位という低い官位しか与えられておらず、「結婚相手が六位風情ではねぇ」という噂話を耳にして悔しがる。その後、従五位に昇進するも、内大臣の監視に阻まれ、雲井の雁との進展はない。そんな中、源氏は紫の上の父式部卿の宮の50歳の祝いを行うにあたり、お屋敷を新築して明石の君も呼び寄せる。梅壺の中宮、花散里、明石の君、紫の上と、それぞれに似合う四季の庭を作り、渡り廊下で結び行き来するように配慮している。
『玉鬘』は、今も源氏の心に残る夕顔の忘れ形見の姫(玉鬘の君・父親は頭の中将)の後日譚。夕顔に支えていた女房の右近は現在、紫の上のおそばにいる。当時、姫は乳母の元に残され、乳母の夫の赴任先筑紫へと伴われます。乳母の夫は早くに亡くなり、子どもたちに姫を京へ連れて行ってほしいと遺言します。二十歳ほどになった姫は、「田舎には惜しいほどの、この上なく素晴らしいお見事な」姫君に育ち、様々な男性からの求婚をうける。乳母は家族を伴って京都へとのぼり、石清水八幡宮参りの際に右近と再会、頭の中将には知らせず、自分に先にと予々言われていたので、まず源氏に知らせます。そして、源氏は花散里に後見を頼み六条の院に住まわせることとなる。源氏が「世間に知らせて、色好みの連中が、ひどく真面目くさった顔つきでこの屋敷にやってくるのを見てやろう」と思うほどの魅力的な姫となっていました。
『初音』では、六条の院で、多くの姫と暮らす源氏の新年を描く。紫の上との仲睦まじさ、花散里との落ち着いた間柄、明石の君への変わらない思い。「几帳を引き直して赤々としたお鼻が見えないように隔てる」けれども、末摘花へも気配りを忘れません。空蝉もいつしかこちらに移られたようです。愛する女性たちに会いたい時に会いに行き、経済的に庇護し続ける、男性の夢を実現したような暮らしです。。
『胡蝶』では子として面倒を見ている(実は頭の中将と夕顔の君の娘)玉鬘への恋心を抑えきれない源氏の姿が描かれる。美しい姫には多くの男性が心を寄せ、その中に頭の中将の子、柏木も名を連ねる(実のきょうだい)。源氏は、ある日衣服を脱いで玉鬘に添い寝をするに至る(驚)が、思いを遂げることにはならず、姫は思い悩む。。
源氏36歳。どこまでも、難儀な(笑)男性である。。