源氏物語 巻三

f:id:purpleprincess3:20200614134339j:plain


朱雀帝が一番愛する朧月夜と源氏の密通現場を、朧月夜の父右大臣に押さえられた事件は、右大臣の一派へと権力が移っていく引き金ともなる。また、右大臣一派は源氏が後見を任されている東宮を帝位につけようと謀反を企てているという濡れ衣を着せて、官位を剥奪、流罪を覚悟した源氏は先手を打って『須磨』へと都落ちする。財産を処分し、紫の上に与え、7〜8人の供だけを連れ、須磨へと旅立つ。その住まいは「海辺からは少し奥へ入っていて、身に染み入るようにもの寂しい感じの、山の中」だったそう。

須磨からほど近い明石に元は都の人だった明石の入道がいて、娘を高貴な人といつか結婚させたいと夢見ていた。そこに源氏が現れたため、千載一遇のチャンスと娘を源氏に会わせたいと願うようになる。
須磨での暮らしも1年、暴風雨が訪れ、住まいになんと雷まで落ちる。この時、光源氏27歳。
その荒天は故桐壺院が源氏を『明石』へと誘うためのものだった。明石の入道の思いが叶い、源氏は明石の姫と結ばれ、子をなす仲となる。
故桐壺院のなす業であろうか、朱雀帝や大后、右大臣本人も病気になられました。源氏を追いやった報いかと恐れ、2年半ぶりに源氏は都に帰ることを許される。
都には美しく成長した紫の上がいて、昇進し、朱雀帝に重用される。もともと朱雀帝の愛姫、朧月夜との不貞こそが源氏の凋落の原因だったにもかかわらず(呆)。。
『澪標」では、ついに藤壺と源氏の罪の子、11歳の冷泉帝が即位する!六条御息所も、娘の斎宮の任を解かれ都に戻るが、病でなくなる。「斎宮の後見をしてほしいが、決して愛人にはしないでほしい」と遺言を残して(自分の二の舞をして欲しくない、母心。。。)
この前斎宮は22歳、美しい方で源氏と朱雀帝の心を奪うが、新しい帝、13歳となった冷泉帝の妃として入内する。
『蓬生』の帖は、源氏から忘れられて援助をたたれた末摘花の貧窮を描いている。女房もへり、狐が住み着きふくろうが昼間から鳴くあれはてた屋敷に住む姫。たまたま、忘れがちだった花散里を訪ねる途中に、邸の前を通り思いだし、末摘花と再会。源氏を待ち続けた実直さに感動して、経済的な援助を再開する。
『関屋』では、17歳の源氏に抗い、強い印象を残した空蝉との後日譚。石山寺常陸の介にともなわれた妻空蝉と源氏が出会い、交わされるやりとりと、その後出家するという転末を描いたもの。
『絵合』は、入内される前斎宮と思いを寄せている朱雀院との間に交わされる歌の紹介や、源氏の少しの後悔なども描かれます。宮中で絵合せが開催され、権中納言との接戦の最後に、源氏自身の見事な須磨の絵日記によって圧勝する。
『松風』は、源氏31歳ごろのエピソード。住まいの二条の院の東の院に、なんと愛人たちを迎えたいと考えていた。正妻である紫の上とともに、たとえ広大な敷地とは言え同じ屋敷に住まわせるのだ。。(なんと、なんと)明石の君が父親と別れて、都近くに住まいを移した頃の話が描かれている。
源氏の周りの女性は、誰一人として100%の幸せに満たされることはない。。。