源氏物語 巻三

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朱雀帝が一番愛する朧月夜と源氏の密通現場を、朧月夜の父右大臣に押さえられた事件は、右大臣の一派へと権力が移っていく引き金ともなる。また、右大臣一派は源氏が後見を任されている東宮を帝位につけようと謀反を企てているという濡れ衣を着せて、官位を剥奪、流罪を覚悟した源氏は先手を打って『須磨』へと都落ちする。財産を処分し、紫の上に与え、7〜8人の供だけを連れ、須磨へと旅立つ。その住まいは「海辺からは少し奥へ入っていて、身に染み入るようにもの寂しい感じの、山の中」だったそう。

須磨からほど近い明石に元は都の人だった明石の入道がいて、娘を高貴な人といつか結婚させたいと夢見ていた。そこに源氏が現れたため、千載一遇のチャンスと娘を源氏に会わせたいと願うようになる。
須磨での暮らしも1年、暴風雨が訪れ、住まいになんと雷まで落ちる。この時、光源氏27歳。
その荒天は故桐壺院が源氏を『明石』へと誘うためのものだった。明石の入道の思いが叶い、源氏は明石の姫と結ばれ、子をなす仲となる。
故桐壺院のなす業であろうか、朱雀帝や大后、右大臣本人も病気になられました。源氏を追いやった報いかと恐れ、2年半ぶりに源氏は都に帰ることを許される。
都には美しく成長した紫の上がいて、昇進し、朱雀帝に重用される。もともと朱雀帝の愛姫、朧月夜との不貞こそが源氏の凋落の原因だったにもかかわらず(呆)。。
『澪標」では、ついに藤壺と源氏の罪の子、11歳の冷泉帝が即位する!六条御息所も、娘の斎宮の任を解かれ都に戻るが、病でなくなる。「斎宮の後見をしてほしいが、決して愛人にはしないでほしい」と遺言を残して(自分の二の舞をして欲しくない、母心。。。)
この前斎宮は22歳、美しい方で源氏と朱雀帝の心を奪うが、新しい帝、13歳となった冷泉帝の妃として入内する。
『蓬生』の帖は、源氏から忘れられて援助をたたれた末摘花の貧窮を描いている。女房もへり、狐が住み着きふくろうが昼間から鳴くあれはてた屋敷に住む姫。たまたま、忘れがちだった花散里を訪ねる途中に、邸の前を通り思いだし、末摘花と再会。源氏を待ち続けた実直さに感動して、経済的な援助を再開する。
『関屋』では、17歳の源氏に抗い、強い印象を残した空蝉との後日譚。石山寺常陸の介にともなわれた妻空蝉と源氏が出会い、交わされるやりとりと、その後出家するという転末を描いたもの。
『絵合』は、入内される前斎宮と思いを寄せている朱雀院との間に交わされる歌の紹介や、源氏の少しの後悔なども描かれます。宮中で絵合せが開催され、権中納言との接戦の最後に、源氏自身の見事な須磨の絵日記によって圧勝する。
『松風』は、源氏31歳ごろのエピソード。住まいの二条の院の東の院に、なんと愛人たちを迎えたいと考えていた。正妻である紫の上とともに、たとえ広大な敷地とは言え同じ屋敷に住まわせるのだ。。(なんと、なんと)明石の君が父親と別れて、都近くに住まいを移した頃の話が描かれている。
源氏の周りの女性は、誰一人として100%の幸せに満たされることはない。。。

源氏物語 巻二

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8歳の光源氏が、自分好みの女性を求めている中出会った『末摘花』。源氏からの恋文の和歌にも応えられず、ただただ大人しく琴だけを友とする女性は、馬面で鼻が異様に長く垂れ下がって先が赤い。。しかも、その顔を見るのは何度か契りを結んだ後だという。。これぞ隔世の感。失礼なことに源氏は幼い姫、紫の上と遊ぶ際に自分の鼻を赤く塗り「私がこんな鼻だったらどうする」と、冗談を言って遊ぶのだ(怒)

『紅葉賀』では、帝の妻藤壺が源氏との不倫の男の子を産む。何も知らない帝が「この子はそなたそっくり」と、源氏に喜んで見せにきて、居合わせた藤壺は「汗もしとど」になっている。。ご自分のなさった結果とは言えなんとも辛い。
この帖には57、8歳にもなる好色な老女(!!)源の典侍との交流も登場する。この時源氏は18〜19歳ごろというのだから、どこまでもとんでもない男性だ。さらに、友人である『頭の中将』もわざと同じ女性と通じ合う。先の『末摘花』の帖でも、同じ展開があった。まさに、悪友(だけでは片付けられん、ほんまに)。
『花宴』では、対抗する右大臣の娘、朧月夜と出会い、情交を結ぶ。藤壺の面影を追って彷徨ううちに、朧月夜を見染め、さらうようにして契りを結ぼうとする際、助けを求めようとする彼女に対して「私は何をしても人から咎められません。人を呼んでも無駄です」という自信にあふれた言葉!ほんまに、びっくりとしか言いようがない。
『葵』は、六条御息所と葵の上の車争いから始まり、葵の上が生き霊に取り憑かれながらも源氏の子供を産み、その生き霊こそ御息所だと源氏は知るという、ドラマティックな展開を見せる。その後、葵の上は急死する。また、あの可憐な紫の上と結ばれる帖でもある。
『賢木』は、源氏への思いを断ち切るために斎宮として伊勢に下ることになった娘とともに下向する決心をした六条御息所は、自分が生き霊となって葵の上に取りついたことを知らない。一方、生き霊としての御息所を目の当たりにして、会うことを控えていた源氏も、伊勢へいく日が近づいてきて迷いながらも会いにいく。そして、引き止める。。。結局御息所は下向する。
そして、朱雀帝に位を譲り、藤壺と静かに暮らしていた桐壺院が崩御藤壺は出家する。
左大臣は辞職、右大臣一派が権勢を誇る時代へと移る中、源氏は右大臣の娘朧月夜との密会を続け、ついには右大臣と鉢合わせする。ここから源氏を失脚に追いやる企みが始まる。
『花散里』では、以前一度通っただけの女性の家の前をたまたま通り、そのことを思い出し訪ねるという短編。
ほんまにもう、相変わらずのとんでもなさがいっぱい散りばめられていて。。
この巻の終わりでようやく25歳の光源氏さまでございます(笑)

源氏物語 巻一

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源氏物語 巻一

第一帖「桐壺」では、源氏の誕生から、亡きお母様に生写しと言われる父の後宮藤壺への憧憬の芽生え、左大臣の姫君『葵の上』との気持ちの通わない結婚、何より輝くように美しく聡明な光源氏のディティールがまず描かれて、物語の世界へと誘います。
「箒木」「空蝉」「夕顔」の三帖は源氏17歳(数えなので現代で言えば16歳)のエピソード。今で言えば、高校生ぐらいだけど、すでに12歳で元服して妻帯者となっている源氏は、今の感覚で言えばどのくらいかな。職場の友人たちと「雨夜の品定め」をして盛り上がり、自分自身も様々な女性との恋、さらには父の後宮との不倫も匂わせている。。恐ろしき16歳!!
さらに、17歳になった源氏は、「若紫」で『藤壺』の面影を宿す(実は藤壺の姪御だった。。。)若紫を自分のそばに置きたくて、まだ10歳(!!)の少女のもとに何度も通い、略奪まがいに自分の屋敷へと連れてくる。。。
「夕顔」の帖では、かの有名な『六条の御息所』も登場して、はかなく命を落とす『夕顔』に、源氏が身も世もないほどの嘆きを見せる。
はんまに、なんとも言い難いとんでもない男性です。男性の立場での勝手な言い分、腹立つような描写もいっぱい出てくるけど、1巻分スラスラ読めたのは、紫式部様と瀬戸内寂聴様のおかげ(笑)
ドラマや教科書、大学の授業で学んだストーリーが次々と登場して楽しく読めました。。では巻二へと。。

自粛生活のお仕事は読書

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自粛生活休業中に、何かできることはないかと考えた。
本棚を整理して見つけたのは、20年前にお給料日ごとに1冊ずつ買いそろえていた瀬戸内寂聴さんの『源氏物語』10巻。いつか時間ができたら、と思ってしまっていたんだけど、今読まずにいつ読む!と、決心して読み始めることに。
Facebookに、あらすじを掲載し始めたら意外と反響があり(喜!)、Facebookをやらない友人からのリクエストで、こちらにブログを開設した。

Yちゃん、あなたのためのブログだよ!どうぞ、読んでくださいね。